韓国10ウォン硬貨の図案を模した「10ウォンパン」が慶北慶州名物として人気を集めているが、今後、韓国10ウォンコインの裏に刻んでいる多宝塔の絵は抜かなければならないかもしれない。 韓国銀行が10ウォンパンの製造業者に対して貨幣図案盗用を理由にブレーキをかけたためだ。

慶尚南道統営の100ウォンパンやソウル新沙洞の500ウォンパンなど、10ウォンパンと類似した食品も同じ手順を踏むものとみられる。

22日、関係省庁によると、韓国銀行は10ウォンパン製造業者に対して10ウォン硬貨「多宝塔」図案の使用中断を通知した後、協議を続けている。

慶州10ウォンパンは多宝塔が刻まれている1966年から発行された10ウォン硬貨を模したパンだ。 2019年にある業者が製作し始め慶州の名物として位置づけられ、最近はこれを製作する多数の業者がフランチャイズ化を通じてソウルや仁川など首都圏と高速道路の随所にも売り場を構えるほど規模が大きくなった。

しかし、韓銀が10ウォンパンの流行の勢いを認知するようになってから図案使用を巡り葛藤が始めた。

韓銀は「韓国銀行券および硬貨の図案利用基準」により非営利目的の貨幣図案使用の場合、一定要件を充足すれば別途承認手続きなしに図案を利用できるようにしている。 所定の要件がない場合は、事前承認を経て図案を利用できるようにしている。

ただし営利目的で図案を使用することは許可していない。 貨幣図案の無分別な商業化が貨幣システム信頼低下問題につながりかねないという憂慮のためだ。

これに対し、少なくとも1年前から10ウォンパンの販売事実を認知した韓銀は、メーカーに対して持続的に図案使用中止を呼び掛けてきた。 しかし、一部の業者は設備投資費などの理由でこれを断ってきた。

韓銀は現在、製造業者が「10ウォンパン」名称をそのまま使用しても、多宝塔の代わりに瞻星台や仏国寺など他の文様を刻み入れ、実際の10ウォン硬貨とは違うという点を強調すれば問題はないという立場だ。

韓銀関係者は「10ウォンパンに多宝塔の文様を使わずに他のデザインを使えば著作権法に抵触しない」とし、「10ウォンパン業者等ともデザインを変更する方向で協議している」と明らかにした。

10ウォンパンが韓銀の措置でデザインが変更されたら、他のコイン型パンも貨幣図案を盗用したとすれば、同じ手順を踏むことになるものと見られる。 全国では10ウォンパンの人気に支えられ、慶尚南道統営の「百ウォンパン」と全羅北道全州の「五十ウォンパン」、ソウル新沙洞の「五百ウォンパン」等が販売されている。

先立って韓銀は座布団と下着、風俗店チラシなど利用基準を事前認知できず、貨幣図案を無断使用した業者等に対しても基準を案内し使用中断を要求したこともある。